ITILの基本的な考え方
2017.05.31
ITILとは、ITサービス管理分野においての成功事例をまとめた書籍群であり、業界の基準として重要視されている物になります。IT業界で働く方々にとってはおなじみのITILですが、その中でサービスデスクとはどのような位置付けになっているのか、詳しく見ていきたいと思います。
まずサービスデスクに関する記述は、青本という通称で呼ばれる書籍の中で見られます。青本はサービスサポートについて述べた書籍であり、IT利用者をサポートするためのプロセスや組織が詳細に書かれています。
サービスサポートとは5つのプロセスと1つの機能組織でできています。
・インシデント管理…インシデント(事故)からの速やかな復旧を行い、事業への影響を最小限に抑えるプロセス。
・問題管理…インシデントの原因をつき止め、再発を防止するプロセス。
・構成管理…情報の収集や、収集した情報の管理や維持、監査をするためのプロセス。
・変更管理…情報の変更を安全に、効率的に行うためのプロセス。
・リリース管理…変更内容を正しく反映させるためのプロセス。
・サービスデスク…プロセスではなく機能組織であり、ITのサービスを提供する組織と利用者をつなぐ窓口の役割を担うもの。インシデント対応など主にサポートとしての業務を行う事を目的としている。
上記のように、ITサービスのサポートについて、サービスデスクは窓口として定義されています。SPOC(Single Point Of Contact:単一の窓口)と呼ばれる事もあります。「一つの窓口」で、「インシデントを管理する」という2つのテーマがサービスデスクに求められる働きであることが明記されています。
ITILはIT業界の成功事例集であるため、社員全員が熟知していれば効率の良い事業運営が望めます。しかし現在どの企業でも、多忙な業務の中で知識習得の時間を割くのは難しいでしょう。そのため、ITILの基準に準拠したサービスデスクを利用する事で、そのような欠点をサポートしてもらう事が可能になります。知識の浅い社員であっても簡単に効率化が図れる点が大きなメリットです。また情報の蓄積もサービスデスクの特徴ですので、一過性の事件として流してしまいがちな問い合わせもデータ化して大切な資料として活用できます。ITサービス分野で重要な役割を担うのがサービスデスクであるため、ITILの基本定義と合わせて知っておくと役立つでしょう。