ビッグデータ分析にも活用できる
2017.05.31

笑顔の女性これまで問い合わせ窓口で受けてきた相談や苦情のうち、従業員間で共有し、次に活かす事が出来たものはどれほどあるのでしょうか。企業によっては、苦情を処理してそれでおしまいになっているところも多いでしょう。実は相談や苦情は、適切に収集し分析する方法を持ち合わせていれば、非常に貴重な経営判断の材料になります。データ分析機能としての側面からサービスデスクについてお話したいと思います。

日々寄せられる相談や苦情は、言いかえれば顧客から直接、経営改善のためのアドバイスをもらっているようなものです。クレーマーと呼ばれる悪質な顧客もいることは事実ですが、本当に危惧すべきは、製品に不満足なまま何も言わない顧客です。こうした顧客は何の改善のヒントも与えることなく、無言のアンチ企業消費者として存在し続け、そうした顧客に改めて製品アピールをしていくのは難しいものです。ピンポイントで改善点を教えてもらう機会というのは非常に稀ですので、苦情も有効に活用すべきです。せっかく改善点を掴めたら早速それを活かしていきたいところですが、受付をした相談員・部署など非常に限られたメンバーのみで話が終結してしまい、企業全体に共有されずに終わっているケースが多く存在します。「共有するまでもない」「細かな事まで共有する手間はかけられない」と言った理由でのことですが、経営改善を考えるなら、より多くの従業員が見られる環境に置く事が望ましいのは言うまでもありません。このような密室作業は、担当部署が点在しているために起こる事態であり、それをオープンにするために役立つのがサービスデスクを利用したデータの蓄積と分析です。

先に述べたように、サービスデスクとは全ての問い合わせの総合窓口ですので、あらゆる情報がここに集まります。「どんな顧客が」「どんなトラブルで」「どんな事を感じて」問い合わせをしてきたのかが全て集約されています。さらにそれに「どんな対応をしたか」の記録も残し、社員全員が見られる環境に置く事で、今後のトラブル予防や製品開発に役立つ事は間違いありません。顧客の年齢や意見を分析すれば今後のトレンド解析も可能です。また現在の業務プロセスの欠陥点を洗い出し、PDCAサイクルの改善・効率化に役立つ事も大きなメリットのひとつです。情報の一元管理が可能なサービスデスクだからこそのフィードバック機能と言えます。このようにサービスデスクは、ビッグデータを集積・分析することで、事業運営の効率化に加え新たな製品開発などにも役立てる事が出来るのです。

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